蓄電池の寿命
鉛蓄電池は最も古い歴史を持つ蓄電池で、安価でありながら確かな安全性を備えていることから、主に自動車のバッテリーや非常時のバックアップ用電源などを始め、様々なところで使用されています。 鉛蓄電池のサイクル回数は3,150回、年数にして約17年で、蓄電池の中で最も長寿命です。
鉛蓄電池の特徴
鉛蓄電池は、他の蓄電池に比べ、充放電サイクルの増加による影響はあまり大きくなく、正極に二酸化鉛、負極に鉛、電解液に硫酸を用いているという構造上、過放電した際には負極の金属に硫酸鉛の硬い結晶(サルフェーション)が発生し、著しく劣化が起きるという特徴があります。
ニッケル水素電池の寿命と特徴
リチウムイオン電池が登場するまで、様々なモバイル機器のバッテリーとして用いられていたニッケル水素電池。現在では、二次電池型乾電池として用いられている他、ハイブリッドカーのバッテリー、鉄道・モノレール用の地上蓄電設備にも使用されています。 寿命でいうと、ニッケル水素電池のサイクル回数は2,000回、約5~7年となっており、蓄電池の中では短い方です。 高温での使用は、セパレータやシール材等の電池構成部品の分解が加速されるため、寿命を著しく低下させることになりますので、大電流充電時には、電池温度の上昇が起こるため、適切な温度管理が必要になるのが特徴です。
リチウムイオン電池の寿命と特徴
パソコンや携帯電話などのモバイル機器用バッテリーに必ずリチウムイオン電池が使用されています。近年では、蓄電池としても普及が進んでおり、大規模施設に向けた大容量化などの研究開発が推進されています。 寿命でいうと、リチウムイオン電池のサイクル回数は3,500回、約6~10年となっていますが、保存状態や充電方法によっては著しく寿命が低下する恐れがあるため、適切に充放電を行わなければならない特徴があります。
NAS電池の寿命と特徴
NAS電池は、エネルギー密度が非常に高く、鉛蓄電池よりもコスト面で優れた特性を有していることから、負荷平準化や再生可能エネルギー設備の系統安定化対策、また工場を始めとする大規模施設のバックアップ電源として主に用いられています。 資料によると、NAS電池のサイクル回数は4,500回、年数にしておよそ15年となっており、鉛蓄電池と遜色ない数値を達成しています。 NAS電池の寿命は、正極活物質による単電池容器の内面腐食に起因する容量の減少と抵抗の増加によって左右されるため、この部分の問題さえクリアすれば更なる長寿命化が期待できます。少し研究開発の時間が必要な期待値の高い電池です。